「ミネルヴァよ、風を起こせ」千秋楽公演後に、当公演をプロデュースした外山大輔氏がTwitterを更新。
(以下、添付画像より)
ミネルヴァよ、風を起こせ公演。昨日の12月20日をもって千秋楽と相成りました。
思えば2016年12月、755で秋元康先生から御指名を受けこの公演プロデュースを考えたんですが、この膨大な楽曲と大人数のメンバーをどのようにミックスしてどのように並べれば良いのか、四苦八苦したのを思い出します。
AKSと何度も何度も打ち合わせを重ね、草稿が出来たのが確かその年の年末。メンバー、音源チームや振付の先生方に伝わったのはおそらく年が明けてから。今思うと毎年恒例の1月のTDCウィークや握手会、その他のお仕事など考えると2017年2月28日の初日までおそらく実質1カ月無いくらいの時間で仕上げないといけなかったのかなぁ、と。
今までコンサ-トでもワンハーフの尺でしか振付がない楽曲だったり、初めてフルサイズで振付を入れた曲など周りのスタッフさんたちも色々と大変だったと思います。
今までもたくさんの公演やコンサート現場にお邪魔させて頂いてましたが、公演開催に際して改めてメンバーのパフォーマンスを見ようといくつかの現場にもお邪魔しました。
そこで感じたのは、「熱さがない」という事を思いました。「あれ、なんか熱を感じないな」と。
もちろん難しいフォーメーションや動きなど一生懸命やってるんだと思います。でもなんか小慣れてる感というか、泥臭い感じがない、というか。もっと酷い言い方すれば、慣れきって省エネでやってる感じ。
で思ったのが「汗かかないとダメだな」と。もちろんあれだけの動きをしてる訳ですから、みんな当たり前のように汗はかきます。でも僕が見たかったのはその「汗」じゃないと。
セットリストはかなり悩みました。48Gファンの方は「自分の曲ばかりやるんじゃないか」とか色々仰ってましたけど、とにかくドアタマからガツーンと盛り上がれる曲にしよう、と。BPM(曲のテンポ)は速め、イント口の一瞬で引き込まれる、ミックス撃てる、キャッチーである。それらを満たしてくれたのは僕の中で「重量シンパシー」でした。
そして「ゼロサム太陽」「私たちのReason」「ラベンダーフィールド」と続きます。
1曲目の最後の音から「ゼロサム~」のイントロのシンセピアノが鳴るあの瞬間はボルテージMAXの状態。そこからあの「ゼロサム~」のイントロへの流れは狙い通りでした。埋もれさせてはならない楽曲のうちの一つです。
そして問題は3曲目。ここは少し緩急を付けよう、と。少し大人しいピアノイントロからのジェットコースターのように駆け抜けるメインイントロへと流れ、そして涙腺崩壊必至のメロディー。これも「この曲しかないだろう」と。
そしてどの公演でも重要な役割を担う4曲目。これは少し勢いは落ちるけど流れ的に涙を誘うメロディーの王道路線の楽曲にしたい、と。歌詞の世界観的にも過去を振り返るような、優しくも力強い楽曲が欲しかった。そこで平行して開催していたM.Tに捧ぐ公演から「ラベンダーフィールド」を持ってきました。
ユニットセクションのテーマは「イメージの払拭」と「多面性」。もう言わずもがなですが、ここでは各メンバーの色々な側面を見ることが出来たのではないかな、と思ってます。
ちょうど16期も加入して間もないタイミングでもあったので彼女たちには「オフショアガール」ではバックダンサーとして出演してもらったり、「夢でKiss me」では煽りの親衛隊が出てきたり、御本人登場の回があったり、と、どの程度遊びを効かせて良いのか悩みましたけど、結果的にバラエティにとんだセクションになったと思います。
後半は「魅せる」セクションにしようと思いました。ユニット明けのMCは少しホッコリしてそれまでの前半やユニットを振り返ったりと少し体温が落ち着く時間。なので次からは少し緊張感がありつつも泣ける楽曲「不器用太陽」をチョイス。あの曲はなんか泣けるんですよね。情景が浮かぶ楽曲のうちの一つ。
そしてあのミドルテンポなアウトロから「夏の前」のワチャワチャ感へと続きます。「夏の前」のチョイスはとにかくBPM160前後の王道美メロ楽曲だから。そして甘酸っぱい楽曲。少しずつボルテージをまた上げていくんです。そしてトリ前の「Makenoise」へと続きます。
ミネルヴァ公演でのダンス曲はもう「Make noise」にしよう、と初めから決めてました。本家であるHKT48のみんながMV撮影の時にヒーヒー言いながら仕上げてくれたダンスナンバー。ミネルヴァの子たちがパフォーマンスしたらどうなるのか。前述した「僕の見たかった汗」は見ることができるのか。そのあたりも期待しつつこの楽曲を選びました。ミネルヴァメンバーにはダンスが得意な子もいればあまり得意でない子もいました。ここはあえて「あまり自信がない」と言っていた谷口めぐをセンターに。結果、あの子には物凄い翼が生えたような気がしております。
本編最後の曲は「君のために僕は..」。君のために僕は死ねる。このワンフレーズにつきます。「彼女の未来をちゃんと考えているのか? 誰かが僕を指差すんだ どれだけ愛しているのか? 答えの重さで月さえ落としてみせよう」。ちょっとキザですけどそんなメッセージを公演愛というフィルターを通して彼女達に伝えたかったのかもしれません。
アンコールでは、「10年桜~大人列車」「混ざり合うもの」「風は吹いている」の3曲。高橋栄樹監督による「10年桜」と「大人列車」の世界観の解説を伺ってからはどうにかこの2曲は続けてやりたい、と。クリエイターとして火がついたんです。一つ心残りなのは「大人列車」はフル尺でも良かったな、と。今あの頃の自分に向かって言いたいです。
そして「混ざり合うもの」。これはその年のこじまつりで物凄い演出 (こじはる卒業コンサートと乃木坂46のコンサートで二元中継) でようやく披露できた乃木坂AKB名義の楽曲。リリース当初はやんややんや言ってる輩もおりましたが、僕はそういうのはあんまりというか全く外部のガヤが気にならない人間なので華麗にスルーしましたが、当時は初の試みという事でなかなか披露されない、埋もれる度が高い楽曲でした。もったいない。なので公演を通じてたくさん披露してもらおうと。楽曲自身もとても喜んでると思います。センターは当初チーム8の舞木香純。卒業してからは阿部マリアが務めてくれました。そして2人とも遠くに行ってしまいました…笑。そ、そういう曲なのかな…笑。
そして最後は「風は吹いている」。もともとは東日本大地震の被災地へ向けた震災復興応援曲です。しかしメッセージ的には様々なシチュエーションでも当てはまる解釈ができ、この公演テーマでもある「風を起こす」事と合致すると思いチョイスしました。「少しずつ、前に進もう」と。
著名人公演では定番でしたが、当初から公演に固定のセンターを据える事に個人的には疑問を持っていたので特定のメンバーをセンターにすることはやめ、ある程度全員が前に立てるポジションを考えました。その結果、それぞれの魅力を多く感じる事が出来たのではないかな、と思います。
また皆さんの好みはそれぞれだと思いますが、セットリストも含めてその部分は一定の評価を頂けたと感じています。メンバー本人達も、この公演が好き!と言ってくれて本当に嬉しく思ってます。少しはAKB48に貢献できたかな、と。
千秋楽に出られなかったメンバーの分までみんな頑張ってくれました。本人達には、いつかまたこういう機会があったら、またこのメンバーでやろうな、と伝えました。
ミネルヴァよ、風を起こせ公演。メンバーもスタッフさんもファンの方々もお疲れ様でした!
本当にありがとうございました♫♫♫